確定診断をしてもらうまで

症状は日々進行していく

異染性白質ジストロフィーの確定診断をしてもらうまでに、数ヶ月かかることもあります。その間にも症状は進行していきます。しかし現在のところ、MLDの治療法がないため、親としては日々進行していく子どもの症状を少しでも緩和しようと我が子を抱きかかえ、声をかけ、何とかできないのか、なんとかならないものか、と焦りと苦悩にさいなまれる毎日が続いていくことと思います。

 

現実問題として、大都市と地方を比べると明らかに医療格差があり、発症確率(約4万人に1人)から考えてもMLD患者を見たことがないというお医者さんは地方では少なくないと思われます。CTはあってもMRIは備えていないという病院も多く、医療サイドに対する不満が高まっていくことも多いと思います。

 

MLDの場合、MRIによる画像診断が有効で、典型的な画像が撮影されていれば、あとは確定診断に必要な「末梢神経伝達速度」「酵素活性検査」を一気に行うことができると思われますが、進行性の病気の特徴として、初めの画像では何も問題がなかったが、数ヶ月後に撮影したら典型的な画像に変わっていた、ということがありえます。

 

そうなるとお医者さんとしては、他の病気の可能性を探りながら検査を進めていくことになりますが、MLDという病気は発症確率が約4万人に1人ということから、最初からMLDの可能性を考えるよりも、他の神経系の病気(脳腫瘍など)ではないかというところからスタートすることのほうが多いと思われます。

 

以下は筆者家族の場合について振り返ってみます。2歳の誕生日まであと2ヶ月という7月、近くの大学病院でMRIを撮り、所見なし。でも歩き方の問題があり、斜視や手の震えも残っているので、神経系の病気の可能性を探ろうということから10月に「末梢神経伝達速度」の検査をやってみようとなっていきました。これはかかった病院が大学病院でしたので、結果が出るまでにそれほど時間はかかりませんでした。家内によると、検査は手に電気を流すので、患者にとっては痛みが走り、子どもにとっては苦痛を伴う可哀想な検査だ、という話でしたが仕方ありません。

 

検査には時間と費用がかかる

神経伝達速度に所見が出たところで、別の病気の疑い(重症筋無力症、ギラン・バレー、足首可動域障害等)を2ヶ月ほど探っているうちに、尖足の症状が出始め、再度MRIを撮ったところ、脳画像に所見が付き、副腎白質ジストロフィーの可能性を島根大学で調べてもらうために血液採取(アシルカルニチン・アミノ酸・有機酸・脂肪酸代謝異常検査)。

 

結果は陰性。ここでようやくMLDの可能性が浮上し、症状が進行していくこともあって民間検査機関(三菱系)に酵素活性検査を依頼し、結果は陽性。最終的な確定診断のために慈恵医大病院の井田先生に診ていただいたのが12月の末。確定診断までにほぼ6ヶ月が必要でした。

 

検査機関には日本全国から様々な病気の検査依頼が集中しているため、大学病院に検査依頼をすると、結果が出るまでに2週間以上かかることもあります。民間検査機関の場合は、費用はかかります(5000円〜1万円程度)が、比較的短い時間で結果が出るようです。

 

MLDの場合「神経伝達速度」の検査結果を受け、さらに「酵素活性検査」を受けるかどうかの判断をすることになります。そうなると、別途血液を採取し、同じように検査機関に依頼になりますので、同じように時間がかかります。

検査は島根大学病院に依頼した分は血液を送付する費用のみ自己負担となりました。ASA酵素活性検査については民間機関に依頼したため全額自己負担となりました。

 

そうした検査についても「受けてみますか?自己負担の検査なので、何もなかったら、むだになってしまいますが」と担当医から確認を求められることに「受けるか受けないかって、医者が判断するようなことをなぜこちらに求められなきゃいけないの?」と苛立ちを感じたりしたものです。

 

首都圏に住んでいてもこんな具合ですから、地方都市にいて確定診断までスムーズに進むということはまれなことと思われます。

 

それでは「確定診断にどれくらいの時間が必要になるのか?」と聞かれれば、兄弟姉妹など血縁関係者にMLD患者がいて、「MLDではないか」との予測の上で検査をすれば血液採取をして遺伝子検査をすれば比較的短期間で確定診断が可能でしょう。

しかし通常は他の疾患の可能性を排除していきながらの診断となるため、入院をして集中的に検査しない限り、どんなに早くても2ヶ月程度はかかると思われます。

 

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濡れた砂の上の小さな足跡
2012年、フランスでベストセラーになったMLD患者家族の本 世界17カ国で翻訳 アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン著 平野暁人・訳 ぜひ一読下さい。

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